漢字に頼らない勉強法:中級中国語#1

 

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前回のブログでは、中級レベルではどのような学習をしていくべきかお話しました。

 

gengengo.hatenablog.com

中級中国語 まずは リスニング力をつけよう!

そこで今回はまず、リスニング力をつけるための勉強法を紹介したいと思います!

 

リスニングって難しいですよね。CDを何度も聞いているのに全然できるようにならない!!

うんうん、わかります。僕もそうでした😂

音をただ聞いているだけではリスニング力は全然つきません。僕たちはもう赤ちゃんではないのでそんな吸収力はありません😭😭

 

ではどうすればリスニング力を身につけられるのか?

 

やっぱり、留学??

留学も一つの手ではあるでしょう。しかしわざわざ留学に行かなくても、リスニング力は自分である程度伸ばすことができます。今回はその方法を紹介していきます(今回紹介する方法はある程度文法の勉強をしてきた人向け=読解は割とできる人向けの方法です。文法が怪しい人はまずそちらから勉強しましょう)!

 

僕は今回紹介する方法でリスニング力をつけてきました(今もやってます)。

 

それは……

ピンインを最大限に活用する勉強法です!!

 

前回の記事にも書きましたが、リスニングの勉強にあたって漢字は邪魔になってしまします。そこで役立つのがピンインです。

 

え、中国語って漢字で書く言語じゃん。ピンインなんてただの発音記号でしょ?

 

そう思う方もいらっしゃるかもしれません。それはすごく真っ当な感覚だと思います。そうです、中国語は漢字で表記する言語ですし、ピンインは漢字の発音を表すための発音記号だといえます。そうなんです、発音記号なんですよ。だからこそリスニングの学習に役立つのです。

 

ピンインで勉強するということ

リスニングは音を聞いて意味を理解する技能ですよね。ここでは漢字を見て意味をとるリーディングの技能は必要ないんですよ。

 

漢字を理解できる日本人にとって漢字で書かれた文章を読んで理解することは非常に容易です。中国語の文法を一通り勉強した人であれば、なんとなくの意味はわかってしまいます。しかし、ピンインだけで書かれた文章を読むとなると、そうも簡単ではありません。かなり読みにくくなるはずです。

 

ピンインで書かれた文章を読むこととは、

音を目で読むということです。

 

リーディング力とリスニング力

英語の長文だって同じです。英語は表音文字であるラテン文字を使って表記しますから、英語の長文を読むということは、英語の音を目で読んでいることになります。長文がすらすらと読めるようになるとリスニング力も上がってきます。

 

リスニング力がリーディング力を超えることはありません。人間は自分が読めるレベル以上のものを聞いて理解することができないのです

 

読むときはわからないところがあっても、前に戻って何度も見直せます。途中で止まって「あれはなんの単語だったかな」と考え込むこともできます。

 

しかし、リスニングをするときにはそんな余裕はありません。音は次から次へと流れていってしまいます。文法・単語をしっかりと頭に入れておかなければある程度の内容を聞き取ることはできません。リーディングをしっかりと鍛えておかなければリスニングはできるようにならないのです。

 

 

ピンインを用いたリスニング学習法

さて、中国語の話に戻ります。

ここまででなぜピンインを使って勉強すべきかお分りいただけたと思います。

 

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漢字→意味ではなく音→意味で理解しよう!

 

リスニングの勉強では漢字を持ち込んで漢字で理解しようとしてはいけないのでしたね。

ピンインを利用して、音から意味を理解できるようになりましょう。

 

では、具体的にどうすべきか?

それは……

 

ピンインで長文を読むべし!!!

 

 

どういうこと???と思われる方もいらっしゃると思うので、実際に見てみましょう。

 

ピンインで書かれた文章を用意する

まずピンインで書かれた文章を用意しましょう。学校で使っている教科書でもいいですし、市販の中国語の教科書でもいいです。自分がこのレベルなら半分くらいは聞き取れるかな、という内容のものを選びましょう(読めるかどうかではなく、聞き取れるかどうか、が基準です)。

ここではネット上で公開されているHSK4級リスニングパートのサンプル問題を例に説明します(サンプル問題にはピンインが付いていなかったので今回は僕が振りました)。

出典:http://hsk.chuken.org/pdf/HSK4.pdf(問69より)


Yǒuxiē rén xǐhuān bùtíngde huàn gōngzuò, tāmen zǒng yǐwéi xīngōngzuò yídìng bǐ xiànzàide hǎo. Shíjìshàng, yībān qíngkuàngxià, wánquán shìyìng yīge xīnde gōngzuò xūyào yīnián shíjiān, yīncǐ, jīngcháng huàn gōngzuò bùyīdìng hǎo, gēnjù zìjǐde tiáojiàn, bǎ yīfèn gōngzuò jiānchí zuòdào zuìhǎo cáishì zhèngquède xuǎnzé.

 

どうでしょうか? ピンインだけで書かれた文章を読んで、内容をつかめたでしょうか? 細かい単語ひとつひとつの意味までわかったでしょうか?

 

これが英語のリーディングのときにやっていることと同じ作業です。漢字で読む時より圧倒的に大きな負荷がかかっていると思います。それは普段私たちが中国語の文章を読むときにいかに漢字に頼りきっているかということの証拠でもあるのです。

 

日本語と同じ文字を使っているとはいえ、中国語はあくまで外国語です。本当に身につけたいと思うのであればこれくらいの負荷は覚悟しなければなりません。

 

でも、この負荷のかかる練習をやりぬくと、リスニング力が着実に身につきます。

 

ピンイン読むのはだるい、面倒くさい、と思うかもしれませんが、少しだけ我慢してやってみてください。ただひたすらに中国語のCDを聞き流すより効率的にリスニング力を身につけることができると思います。

 

さて、ピンインで書かれた文章に2〜3度目を通して、自分がわからなかったところがどこかある程度目星をつけた上で、漢字で書かれた同じ文章を見てみましょう。答え合わせです。

 

 

漢字を見て答え合わせをする 

有些人喜欢不停地换工作,他们总以为新工作一定比现在的好。实际上,一般情况下,完全适应一个新的工作需要一年时间,因此,经常换工作不一定好,根据自己的条件,把一份工作坚持做到最好才是正确的选择。

 

 

どうでしたか? ピンインだけで読んだときに理解した内容と同じだったでしょうか? ピンインを見てうまく漢字に変換できなかった単語は漢字を見て納得できましたか?

 

わからない文法があればこのタイミングで辞書や教科書を使って見直しましょう。

ひと通り意味を理解し終えたら、一度漢字だけを見て音読してみましょう。ピンインはとりあえず見ないようにしましょう。「あれ、これどう読むんだっけな?」「こんな発音だったっけ?」と思う単語があれば印をつけて、あとからピンインを見直しましょう。

 

それは、いまいち音と漢字(≒意味)がうまく結びついていない単語です。

 

 

音読をする

発音があいまいな単語を見直したら、もう一度漢字だけを見て音読しましょう。

 

この音読の部分は絶対に飛ばさないでください!!

 

「音読めんどくさいな」と思うかもしれませんが、これがめちゃくちゃ大切です。ほかの語学学習に関する本やブログなどでもよく言われることですが、マジで本当に音読はめちゃくちゃ大切です。面倒くさいと思っても騙されたと思ってやってみてください。音読ありとなしでは定着スピードもかなり違ってきます

 

漢字の文章を音読することで、目で見て理解した漢字の意味を自分の耳で聞いた音と結びつけることができます。

 

もちろんピンインの文章もたくさん音読していいです!自分で発音しながら「この音はどんな漢字だっけ?」と考えることもその単語の意味と発音の定着に繋がるはずです。

 

 

音声を聞いてみる

さて、漢字の音読が終わったら、実際に音声を聞いてみましょう。おそらくかなり聞き取れるようになっているはずです。一字一句聞き取れるようになるまで何度も聞きましょう。おそらくそんなに時間はかからないはずです。

 


中級中国語#1 漢字に頼らない勉強法

この文章を僕が音読した動画です。非ネイティブなので上手ではないですし、練習にはならないかもしれませんが、ピンイン→漢字→音読を経た学習の効果を実感することくらいはできると思います。一度聞いてみてください。

 

もしどうしてもわからない単語があればそれはあなたが本当に苦手とする単語です。

さて、ここでもう一度ピンインの方も見直しておきましょう。

 

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こんな感じで、わかるものは消して聞き取れないものに印をつけておきましょう。この自分が苦手とする単語を意識しながら音声を聞いてみましょう。線で消してあるすでにわかる単語はそんなに意識しなくても聞き取れると思います。

 

印をつけた単語をそんなに意識しなくても聞き取れるようになるまで何度か聞いてみましょう(安心してください、そんなに時間はかかりません。3-5回も聞けばほとんど聞き取れるようになります)。

 

 

もし自分が使っている教材にCDが無ければ、もう一度ピンインの文章を読みましょう。音読もしてみましょう。そこで再び「あれ?」と思うなら、それがあいまいな単語です。見直しましょう。

 

 

まとめ

・リスニングの勉強は漢字に頼らずピンインに頼れ!

ピンインを見てわからない=聞き取れない単語

・音読は必須!!

・聞き取れない単語を明らかにした上で聞くと効率UP!! 

 

さて、ピンインを使いまくるリスニング学習法、いかがでしたでしょうか?

みなさんは、普段は読めない漢字の発音を記すためにピンインを使っているはずです。今回紹介した学習法はその逆の発想です。

ピンインを見て頭の中で漢字に変換するという方法です。「ピンイン→漢字」は単語テストなどではよく見かけますね。これを文章全体でやってみよう、というのが僕の学習法です。

 

最初は少し大変かもしれませんが、すぐに慣れますよ。そして少し続ければ確実にリスニング力がつきます。むやみやたらにCDを聞き流すのはやめてピンインを利用しまくってみてください!!

それと、音読は絶対やってくださいね!!

 

 

それではみなさん、加油加油〜!!